一般財団法人 防府消化器病センター

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胃腸科コラム・広報誌 COLUMN

がんはどのように予防できるのか

2017.07.11

がんはどのようにできる?

日本では年間35万人以上ががんで亡くなっています(2011年統計)。
がんという病気はどのように発生するのでしょうか?
人の正常な細胞に発生因子が刺激を与えると、異常な細胞が作り出されます。この異常な細胞、普通はそれほど増殖しませんが、増殖因子があると、がんとして増殖を始めます。つまり、まずは発生因子を取り除く「一次予防」が大切なのです。さらに早期発見・早期治療をさす「二次予防」、治療後の再発防止と生活の質の向上を目指す「三次予防」について、順に見ていきましょう。

一次予防~発生原因を除く

がんの発生因子とは、「感染症」、「喫煙」、「生活習慣」。その他放射線や大気汚染といった「環境」があげられます。
感染症に基づくがんは色々ありますが、特にピロリ菌による胃がんは多く見られます。ピロリ菌の感染率は中高年では70%を超えていますが、薬で除菌できますので、ぜひ専門医に相談して除菌に取り組んでいただきたいと思います。肝臓がんや子宮頸がんも、感染から起きることが知られています。
次に喫煙ですが、男性肺がん患者の70%が喫煙者であり、女性肺がん患者の32%が受動喫煙の被害者です。またタバコの煙には60種もの発がん物質が含まれており、肺がんだけでなく、色々ながんの原因になります。自分のため、周りの人のため、ぜひ禁煙に取り組んでください。
次は、生活習慣からの発がんについてです。例えば肥満は大腸がんの発生との関連が深く、また多量のアルコール摂取も、消化器をはじめ複数のがんの原因となると言われます。また食生活もがんに大きく関わります。
「がんを防ぐための新12か条」をご覧ください。

二次予防~早期の発見治療

日本ではがん検診の受診率がとても低いのです。
各種検診を受け、早期発見・早期治療に努めましょう。
内視鏡が苦手な方、内視鏡の進化・鎮静剤の使用などで楽に受けられよう日々改善されています。ぜひ受診してください。

三次予防~再発防止

もしもがんにかかったら、治療後に再発しないことが大切です。抗がん剤の使用、定期的な検査などでより高い生活の質を保持できるよう努めましょう。

しっかり対策すれば多くのがんは予防できます。
発生因子を避け、適切な生活習慣を守りましょう。

 (一財)防府消化器病センター
 研究所長 岡崎 幸紀

 

 



がんを防ぐための新12か条

【1】タバコを吸わない
【2】タバコの煙をできるだけ避ける
【3】お酒はほどほどに
【4】バランスの取れた食生活
【5】塩辛い食事は控えめに
【6】野菜や果物は豊富に
【7】適度に運動
【8】適切な体重維持
【9】ウイルスや細菌の予防と治療
【10】定期的ながん検診
【11】異常に気づいたらすぐ受診
【12】正しいがん情報でがんを知る

公益法人がん研究振興財団2011年

この記事は、第110回健康公開講座の内容を掲載しております。
健康講座は、隔月でアスピラートで開催しております。

開催の日程は、【健康公開講座開催一覧】に掲載しておりますので、ご覧ください。
>>健康公開講座開催一覧

■第110回健康公開講座
がんはどこまで予防できるのか

開催日:10月14日(木)午後7時~
会場:アスピラート3階音楽ホール
主催:一般財団法人防府消化器病センター
後援:防府ユネスコ協会

 

またこの記事は、「Clubわっしょいマガジン Vol.7」に掲載されました。

>>FMわっしょい

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