広報誌「いてふ」第103号(12月号)
2025.11.28
(2025年12月発行)
防府胃腸病院 広報誌「いてふ」第103号 目次
◇「食道裂孔ヘルニア」その不快な胸焼け、もしかしたら・・・?
広島大学病院 寄附講座
防府消化器病センター内視鏡外科講座 助教(消化器外科)佐伯吉弘
サインを見逃さないで!こんな症状ありませんか?
「胸やけがする」「酸っぱいものがこみ上げる」といった症状にお悩みではありませ
んか?
それは食道裂孔ヘルニアのサインかもしれません。
食道裂孔ヘルニアは、胃の一部が横隔膜にある食道が通る「食道裂孔」という穴から
胸腔内に飛び出してしまう状態を指します。加齢に伴う組織の弛緩、肥満による腹圧
上昇、慢性的な咳などが発症リスクを高めます。
誤嚥性肺炎などの重症化につながる可能性も
主な症状は、以下の通りです。特に、横になった時や前かがみになった時に悪化しや
すいのが特徴です。
胃酸の逆流による胸焼け、げっぷ、喉の違和感、胸の痛み、咳 など
注意が必要なのは、胃液の逆流が頻繁に起こると、誤って気管に入り込んでしまう
「誤嚥」を引き起こしやすくなることです。場合によっては、この誤嚥が原因で
「誤嚥性肺炎」を繰り返すこともあり、特に高齢の方にとっては重大な合併症につな
がる可能性がありまず。「年のせい」「体質だから」と諦めず、適切な診断と治療を
受けることが大切です。
内視鏡検査(胃カメラ)で診断します
当院では、迅速な診断と治療開始を目指しています。上記の症状があり、検査を希望
される方には、「絶食」で ご来院いただき、多くの場合、当日中に内視鏡検査(胃カ
メラ)を受けていただいています。
治療は、主に生活習慣の改善指導(食事内容の見直し、体重管理など)や、胃酸の分泌
を抑える薬の処方から 始めます。症状が改善しない場合には、傷が小さく負担の軽い
腹腔鏡手術(10 mm程度の創部が5-6カ所) による外科的治療を行うことも可能です。

気になる症状がある方は、誤嚥性肺炎などの重症化を防ぐためにも、ぜひ一度、当院
へご相談ください。 症状に応じた適切な治療法をご提案いたします。
◇この人に聞きました❻
「手術室看護師(オペナース)のお仕事」 案野加代子看護師長に聞きました
◇防府音楽祭の一環として
「おでかけコンサート」を開催します
日 時:2026年1月9日(金)13:00~
場 所:防府消化器病センター1階
演奏者:景山裕子(ヴァイオリン)
鈴木葵(ヴァイオリン)
篠﨑友美(ヴィオラ)
宮地晴彦(チェロ)
〇12月の外来診療予定表 ☚クリック
「いてふ」の診療予定表やホームページ内の外来医師担当表にも掲載しています。
〇Editorial Note 事務局長 栗林 左知
12月1日は当院の創立記念日です。満59歳を迎えました。わたくしたち職員も当時に
思いを馳せる貴重な機会となります。医療と予防医療、そして臨床研究への熱意で地
域医療への貢献を目指した創立の意志を承継すべ く、職員一同初心に立ち返り思いを
新たにしたいと思います。地域の先生方、当院をお選びいただいている患者の皆様、
健診受診の皆様、地域を支えておられる福祉や行政など多くの方々のお力添えを頂い
てここまでまいりました。ここに謹んで感謝申し上げます。今後とも何卒よろしくお
願いいたします。
|
一般財団法人 防府消化器病センター 防府胃腸病院 所在地:山口県防府市駅南町14-33 (山口県の中央部 瀬戸内海に面した街) 診療科目: 消化器外科、消化器内科、内視鏡外科、内視鏡内科、疼痛緩和内科、胃腸外科、胃腸内科、食道内科、糖尿病内科、内分泌内科、外科、内科、放射線科、リハビリテーション科、麻酔科 ※ 一般財団法人 防府消化器病センター 防府胃腸病院は、山口県防府市(防府市役所前)にある消化器専門の病院です。 腹腔鏡下手術(単孔式)、腹水治療(KM-CART)、緩和ケア、内視鏡検査・治療(胃カメラ・大腸カメラ)、人間ドック、健康診断・ピロリ菌検査・頸動脈エコー検査) |



