一般財団法人 防府消化器病センター

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外科手術 -腹腔鏡手術-sils

直腸がんで注目される経肛門的腹腔鏡下手術(TaME)とは

難易度が高い、直腸がんの内視鏡手術

当院では大腸がんの患者さんに対して内視鏡手を行っており、年々増加傾向にあります。 日本内視鏡外科学会の全国アンケート調査によれば、約80%が内視鏡手術で行われています。

しかし、肛門に近い直腸にできたがんの手術は 、以下の理由で難易度が高いとされています。

  1. 直腸は骨盤に囲まれているため 、手術操作を行う空間が狭い
  2. 排尿や(男性の場合)性機能に関する神経も近く、損傷させる懸念がある
  3. 肛門側(がんと肛門の間)はがんから2〜3cmの距離を取って腸を切る必要があるが、骨盤の狭い男性、内臓脂肪の多い方、腫瘍が大きい場合は 、骨盤や脂肪、腫瘍が妨げとなり、肛門側の距離を適切に確保することが難しく、特に 難易度が 高い

つまり、がんとの距離が近すぎると 、がんを取りきれたかどうか、 根治性が問題となり、 がんとの距離が離れすぎると肛門との距離が近づき、 永久人工肛門が必要となる可能性が出てきます 。

お尻から治療を行う手術で 、永久人工肛門の回避も可能に

そこで、注目されているのが、 「 経肛門的直腸間膜切除 (TaTME)」という、 肛門から内視鏡と鉗子を挿入し、直腸と直腸間膜を切除する手術です。 骨盤の深い場所は 、肛門からは非常に近く、さらに内視鏡で見ながら適切な切除の場所を決めることができるため、 がんからの距離を確実かつ過不足なく取ることができます。逆に、腹腔側からは最も遠いため、内視鏡では難しくなります 。

TaTMEは、根治性、安全性、肛門温存率の向上とともに、腹腔側と肛門側 、2つの手術チームで同時に手術を進行することで手術時間の短縮にもつながります 。

当院では現在、日本内視鏡外科学会の内視鏡外科技術認定医(大腸)が2名在籍しており、腹腔側と肛門側の双方で技術認定医が手術を行う体制が整っています。

ただし、TaTMEは、すべての直腸がんに適応するわけではなく、がんの進行度やがんと肛門との距離などで異なります。TaTMEの適応について疑問や質問があればご相談ください。

TaTMEにより、永久人工肛門を必要とする患者さんが少しでも減ることを期待しています。

経肛門的腹腔鏡下手術(TaME)

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