広報誌「いてふ」第98号(7月号)
2025.06.30
(2025年7月発行)
防府胃腸病院 広報誌「いてふ」第98号 目次
◇その症状、直腸脱かもしれません
消化器外科医師 竹尾幸子
直腸の粘膜が飛び出す!?
直腸脱は、直腸の粘膜が、肛門括約筋の外側に、一時的あるいは持続的に裏返
って飛び出した状態です。便失禁や、脱出した粘膜が擦れて出血したり、炎症を
起こしたりして血液や粘液で下着が汚れたりします。出産や排便時の長時間の息
みにより陰部神経が障害されると、肛門括約筋と骨盤底筋群が緩み、肛門括約筋
機能の低下と骨盤底の直腸を支える組織の脆弱化が起こります。
高齢で多産の女性、若い男性に多い
女性は男性よりも骨盤が広く出産の機会もあるため、この病気は高齢の多産の
女性に多<見られます。男性では20~40歳の若い人に起こりやす<、鎖肛の
手術歴があることが多いです。
予防には骨盤体操などがあります
予防としては、排便時に息まなくても済むように緩下剤や浣腸を利用する、骨
盤底筋群が緩まないように骨盤体操を行う、肛門を窄める運動を行うなどがあり
ます。骨盤体操を知りたい方は、外来にパンフレットを用意しておりますのでお
気軽にお声をお掛けください。
手術は大き<分けて2通りあります
<経肛門的手術>
お尻からアプローチを行います。Gant-三輪法、Thiersch法、その2つを組み
合わせたGMT法などがあります。
<腹腔鏡手術>
腹腔内からアプローチを行います。直腸を吊り上げ、メッシュと呼ばれるポリ
プロピレンの編み込みシートで骨盤底を補強します。
排便時や物を持ち上げた時、咳をした時などに何かが出る感じがする、下着に
便や血液や粘液が付着するなどの症状がある場合お気軽に医師にご相談<ださい。
◇この人に聞きました②
内視鏡に導入したAI技術について藤原純子先生に聞きました
◇消防訓練~6月の空に放水しました~
総務課企画経理室 森脇祐治
6月17日、「夜の病棟が火事」を想定して、消火避難訓練を行いました。夜間は
対応できる職員が少ないため、通報、初期消火の効率のよい初動を考えて行動し
なければなりません。いろいろな消防設備も役割を知らなければ意味がありませ
ん。今回は初期消火に最も威力がある消火栓の使い方をメインに、全職種が参加
して訓練を行いました。万一火災が発生しても、最小の被害でくい止められるよ
う訓練を重ねています。
◇空中からオートクレーブを更新しました
5月下旬、高圧蒸気滅菌装置(オートクレーブ)と簡易ボイラの更新作業を行い
ました。滅菌装置は高圧下で発生させた高温の水蒸気により、器具の滅菌を行う
機械で、手術などで安全に器具を使うためには欠かせないものです。あいにくの
天気の中、大型クレーンによって新旧装置の搬出搬入を行い、手術室の運用に支
障な<更新作業を完了しました。
〇7月の外来診療予定表 ☚クリック
「いてふ」の診療予定表またはホームページ内の外来医師担当表でご確認ください。
〇Editorial Note 事務局長 栗林 左知
梅雨の間から真夏日が続<この夏。年とともに高湿度や酷暑への耐性が低下して
いるのを実感します。加齢現象か、気候のせいか…。いずれにしても、日常的に暑
さから「身を守る」という感覚が必要になってまいりました。「晴れた日には外で運
動」といってもこの時季、早朝か夕方以降、陽が陰ってからがよろしいでしょう。
小暑、大暑では表現に不足感が残ります。梅雨明けまでまだしばら<水害にも注意
が必要です。急激な変化も起こりやすい季節です。毎日の天気予報を確認して身を
守りましょう。
一般財団法人 防府消化器病センター 防府胃腸病院 所在地:山口県防府市駅南町14-33 (山口県の中央部 瀬戸内海に面した街) 診療科目: 消化器外科、消化器内科、内視鏡外科、内視鏡内科、疼痛緩和内科、胃腸外科、胃腸内科、食道内科、糖尿病内科、内分泌内科、外科、内科、放射線科、リハビリテーション科、麻酔科 ※ 一般財団法人 防府消化器病センター 防府胃腸病院は、山口県防府市(防府市役所前)にある消化器専門の病院です。 腹腔鏡下手術(単孔式)、腹水治療(KM-CART)、緩和ケア、内視鏡検査・治療(胃カメラ・大腸カメラ)、人間ドック、健康診断・ピロリ菌検査・頸動脈エコー検査) |